滋賀銀行様

オープン系金融 CRM支援システムにより、戦略的な営業支援体制が実現。

地方銀行にとって、リテール・サービスの充実・強化は、まさに待ったなしの状況だ。
ここで大きな力を発揮すると期待されるのが、金融サービスに特化したCRM支援システム。
滋賀銀行では、早くから行内ネットワークの整備に取り組み、CACもまた同システムの開発に協力。2004年(4月)には、情報システムの先駆的事例として、CRM支援システムを完成させた。同システムは当時より今日まで、日本全国から20行以上の金融機関が視察に訪れるなど、大きな話題を集めている。
滋賀銀行システム部の皆様とCAC開発スタッフも加わり、今回のプロジェクトの背景、実際の作業、現場の反響、そして今後の予定などを語り合った。
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座談会出席者

滋賀銀行様 システム部 部長:岩﨑 博様
システム部 部次長兼システム企画グループ課長:中島 浩之様
システム部 部次長:石田 鎮男様
システム部 システム開発グループ調査役:髙木 長久様
システム部 システム開発グループ調査役:今井 和喜様
システム部 システム開発グループ:芦田 久美子様
CAC 金融BU第4センター 担当部長:木立 徹
金融BU第4センター プロジェクトマネジャー:山内 威
  • 部署名・肩書き・記載内容は2009年4月1日現在のものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。
  • 文中、敬称は略させていただきました。
  • 記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。

背景・目的

DBMからCRMへ

滋賀銀行におけるITの目的は、単なる事務の効率化にとどまらない。経営の意思決定支援や顧客サービスを強化する不可欠のサポート・ツールとすべく、1996年2月「マルチメディア委員会」を設置。そして1999年4月には独自のイントラネット「∞(夢現)ネット」を稼動させた。さらに同年12月、勘定系・情報系・収益管理などさまざまなデータを一元管理するDBM(Data Base Marketing)システムが完成。情報インフラとしてDWH(Data Ware House)を採用し、プロモーションから営業戦略、店舗業務まで、さまざまなマーケティング活動を支援する環境を整えた。

当時を振り返って、岩﨑博システム部 部長は語る。

システム部 部長
岩﨑 博 様

岩﨑部長DBM内に完成度の高いデータベースが構築できたので、さらにフロント戦略に活用させるべく、CRM (Customer Relationship Management)の開発に着手しました。当時これほどの先進的な情報系システムは、地銀ではほとんど例がなく、まさに手探りのスタートとなりました。

開発の指揮をとった中島浩之 システム部 部次長 兼システム企画グループ 課長は語る。

システム部 部次長
システム企画グループ 課長
中島 浩之 様

中島部次長最初にデータを一元管理するために構築したDBMのデータベースは、あくまで勘定系のデータが中心でした。しかし今後の銀行業務のなかで、資産運用相談をはじめとする営業活動の中でのお客様との交渉記録や契約情報や、ご融資の審査結果など、勘定系以外の別システムで管理する業務データとなると確信していました。

多くの銀行のシステムはこれまで勘定系を中心に構築・運用され、情報関連の業務システムは派生的な存在だった。しかし金融ビックバン以降、金融の自由化が進むにつれて、投信、保険など銀行が提供するサービス・商品が拡大している。それにともない、多くのサブシステムが加えられていったが、情報の扱いはサブシステムごとにデータベースを持つのが一般的だった。対して今回のシステムは、中核にデータベースを置き、各サブシステムが情報を取りに来る点に特徴がある。最終的な見え方に違いはないが、内部的なシステムの迅速性、安全性は格段に上がる。さらに情報活用の面でも、今後の激化する競争を勝ち抜くためのセールスやコンサルティングの強化、さらには利用者の利便性向上という意味でも、可能性が広がる。

中島部次長ITとは、情報を管理する技術にほかなりません。そこでまずは、情報をいかに管理していくか、蓄積する必要のある情報とは何か、という観点からデータベースを構築し、それらのデータをどのシーンでどう活用するかを考える必要がありました。そしてそれらをサポートする仕掛けとして、CRM支援システムの構築に挑戦することになったのです。

滋賀銀行におけるCRMチャネルミックス戦略

(クリックで拡大画像をご覧いただけます。)

オープン系への挑戦

システム構成としては、勘定系ホストと並列に置かれたDWHを情報系の中核とし、オープンシステムによるマルチベンダー環境で各種端末を統合。インタフェースはイントラネット環境下でのWebブラウザが採用され、顧客情報のハブとして機能させることをめざした。

今井調査役ただしシステム構成に関して、当初は具体的なイメージがあるわけではありませんでした。そこでどんな知恵・技術があるか、CACさんにご相談し、システムはオープン系、インタフェースはWeb、というご提案をいただいたのです

システム開発の指揮を執った今井和喜 システム開発グループ 調査役はそう振り返る。

以前の滋賀銀行ではホストから各端末まで、すべてのシステム、ネットワークはF社製品で占められていた。しかし2001年から始まった営業店システムの更改に際し、F社からH社に切り替えたという経緯がある。理由は当時の髙田紘一頭取(現会長)の “複眼的、動態的”という理念だった。この方針に基づき、勘定系ベンダー=端末ベンダーという既成概念を捨てて、公平な立場で一から検討・評価した結果、端末側ベンダーはH社、システムはLinux、インタフェースはWeb、というオープン環境が選ばれ、CRM支援システムに関しては、すでにDBMで実績を積み上げていたCACが担当することになった。こうした布陣で、以降、同行のシステムは急速にオープン環境へと移行していく。

安全を第一とする銀行のシステム部では、なかなか新しいテクノロジーに挑戦しないのが通例だ。
その点、不安はなかったのだろうか。髙木長久 システム開発グループ 調査役にうかがった。

システム部
システム開発グループ調査役
髙木 長久 様

髙木調査役自分たちにとってははじめてでも、オープンソースとして話題になっていたLinuxには注目していました。閉じたシステムだと手の出しようがありませんが、オープンソースなら、自分たちもある程度関わることができます。そもそもオープン環境が進んでいけば、マルチベンダーにならざるを得ません。もちろん安全面は重視しましたが、CACから提案いただいたのはRed Hat Enterprise Linuxだったので、その面でも心配はありませんでした。むしろ挑戦という気概で取り組み、それが次の情報系の基盤にもなっていったのです。

岩﨑部長当時の金融業界では、非常に先行的な事例となりましたが、今から考えると大正解でした。オープン環境に切り替える際には、CACさんにはあくまでユーザーの立場でいろいろなアドバイスをいただき、とても頼りになりました。

なぜパッケージを選択しなかったのか?

実はCRM支援に関しては、いまでは市販のパッケージが世に存在している。しかし今回のプロジェクトでは、もともとパッケージという選択肢はなかったという。

その理由を石田鎮男 システム部 部次長にうかがった。

システム部 部次長
石田 鎮男 様

石田部次長基本の発想がDWHに集めた情報を全行で共有することが目的だったので、マルチチャネルが前提でした。 情報のほとんどは勘定系ホストからですが、店頭やコールセンターなど、他のさまざまなチャネルからも集まってきます。新たな情報システムの想定する仕組み、オープンな環境の下での連携、それらの要素を総合的に判断すると、市販のパッケージでは対応できないことがわかったのです。

CRM支援だけ考えれば、個別最適としてパッケージという選択もあったかもしれない。しかし全体最適を考えれば、どうしても手作りになった。 たしかに現在ではすでにいくつかのCRMパッケージが登場している。後発ゆえ、見た目のデザインなどは美しく仕上がっている。しかし、必ずしも現場の実情に即している、とはいいがたい。

こうして以前からDBMの開発で実績と信頼を築いたCACに白羽の矢が立ち、滋賀銀行におけるCRM支援開発プロジェクトは本格的なスタートを切ったのである。

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