見えてきたワーケーションの効果と課題

このほど、CACは2021年11~12月にかけて実施した長崎県でのワーケーション・トライアルについて分析結果をまとめました。

結果では、企業のワーケーションにおける予想以上の効果が見られた一方で、今後の課題も明らかになってきました。

こちらでは、CACの長崎県でのワーケーション・トライアルの実施結果についてレポートします。

CACのワーケーション・トライアル

写真:CACのワーケーション・トライアルの様子
写真:CACのワーケーション・トライアルの様子

CACはワーケーションへの取り組みに、時間と場所にとらわれない新しい働き方・休み方の実現に加え、地方創生やイノベーション創出のきっかけとなることも期待しています。

ワーケーションに関する知見を得るため、CACは2021年11~12月に長崎県の雲仙市と長崎市でワーケーション・トライアルを実施しました。

トライアルに参加したCACの従業員は、2泊3日を基本にホテルやゲストハウスに滞在してテレワーク(リモートワーク)で業務を行いながら、空き時間には観光ツアーへの参加や自然豊かな街の散策などを楽しみました。このワーケーション・トライアルや利用したゲストハウスなどの詳細は以下の記事で紹介しています。

CACトレンド:CACワーケーション・トライアル in 長崎

このトライアルでワーケーションを体験した参加者数は、CAC従業員81名にCACグループからの参加者も加えた合計93名です。参加者の所属部門は、営業部門や制作部門、そして管理部門などほぼ全ての部門にわたります。

CACではトライアルに参加した従業員にアンケートを実施し、ワーケーションの効果について分析を行いました。

ワーケーションの仕事への影響はプラス?マイナス?

企業がワーケーション導入を検討する場合に懸念や不安を感じる点は多岐にわたりますが、中でも大きな懸念の1つは従業員の仕事への影響ではないでしょうか。

例えば、ワーケーションで仕事と休暇のバランスが取れたとしても、仕事の効率が落ちるなどして、従業員が期待されたパフォーマンスを発揮できないのであれば、企業はワーケーション導入に躊躇してしまうでしょう。

この点について、CACのワーケーション・トライアルの参加者アンケートでは、約76%が「仕事に支障はなかった(変わらなかった)」「仕事がはかどった(良い影響)」と回答しています。「多少仕事に影響があった(悪い影響)」「かなり仕事に影響があった(悪い影響)」は合わせて約24%でした。

Q. ワーケーション・トライアルは仕事に影響がありましたか?

各従業員の業務内容の違い等を考慮する必要はありますが、概ね通常の勤務と変わらないか、またはそれ以上の手ごたえを感じている従業員が多い結果となりました。

また、ワーケーションでテレワークを行った場所に関する感想では、約79%が「働きやすかった」「普段と変わらない」と回答しています。

Q. ワークプレイスを利用した感想は?

CACの従業員は比較的テレワークに慣れていることを考慮する必要はありますが、トライアルに参加した従業員の多くがワーケーションでのテレワークに働きづらさを感じていないことが分かりました。

今回のCAC従業員へのアンケート結果からは、総じてワーケーションによる仕事へのマイナスの影響はないと言えそうです。

ワーケーションの従業員満足度は高く、
エンゲージメント向上に効果あり

ワーケーション・トライアルに参加した従業員がワーケーションをどのように感じたのか、もワーケーション導入を検討する企業が気になるポイントでしょう。

CACの従業員アンケートで「(ワーケーション・トライアルに)参加してよかったか」を聞いたところ、「とても良かった」「まあまあ良かった」が合計で約96%と大変高い数値でした。
また、「また機会があったら参加したいか」の問いには、約78%が「参加したい」と回答し、こちらも高い数値となりました。

参加者のワーケーションに対する反応はポジティブであり、満足度が高いと考えられる結果となりました。

Q. 家族やパートナーを連れて参加したいですか?

さらに、「(ワーケーションに)家族やパートナーを連れて参加したいか」との質問には、約59%が「はい」と回答し、「再び(ワーケーションに)行くとすると、何日間参加したいか」との質問には「4泊以上」が約45%と最も多く、次いで「3泊4日」が約36%、今回実施した「2泊3日」は約19%でした。ワーケーションを実施する場所にもよると考えられますが、こうした「より長く滞在したい」という回答の傾向から、参加者がワーケーションにおける「休暇」の面もポジティブに捉えていることがうかがえます。

Q. 家族やパートナーを連れて参加したいですか?

そして、「ワーケーション・トライアルに参加して、会社の印象が変わったか」との問いには、「良くなった」「少し良くなった」が合計で約89%と、ポジティブな回答が非常に高い割合となりました。

Q. ワーケーション・トライアルに参加して、会社の印象が変わりましたか?

ワーケーション・トライアルに参加したCAC従業員へのアンケート結果からは、参加者はワーケーションを好意的に捉えており、ワーケーションを実施した企業へのエンゲージメント向上にも効果があることが分かりました。

見えてきたワーケーション推進の課題

CACの長崎県でのワーケーション・トライアルでは、ワーケーションに関するポジティブな結果が見えてきた一方で、今後ワーケーションを推進する上での課題も明らかになってきました。

例えば、仕事をする上での課題として、ワークプレイス(仕事をする場所)のネットワーク環境、具体的にはWi-Fi速度の問題があります。今回のトライアルでは一部のワークプレイスのWi-Fi速度の遅さが参加者から指摘されました。ワーケーションはテレワークで仕事をすることが前提ですから、業務を支障なく行えるだけのWi-Fi速度の確保は必須の条件といってよいでしょう。
また、Web会議(オンライン会議)を行えるスペースの不足も同様に指摘がありました。Web会議には、周囲に雑音がない等、落ち着いて会議に集中できる環境や、他人に会議の内容が聞かれないような場所が必要です。

他にも、利用できる交通の便が少なかったり、ワークプレイスから観光地への移動に時間がかかる等、交通や移動に関する課題も明らかになりました。
これらは仕事と休暇を両立するワーケーションならではの課題と言えるでしょう。

こうしたワークプレイスの環境や設備面の課題については、各施設や自治体へワーケーション促進のための改善点としてフィードバックを行い、より良いワーケーション環境づくりに協力していきたいとCACでは考えています。

最後にお伝えするのは、ワーケーション導入を検討する企業が大きな関心を持つと思われる費用についてです。
今回のCACでのワーケーション・トライアルに要した費用総額は約500万円でした。
費用項目の内訳は宿泊費、航空運賃、移動費、ワークスペース利用料、PCR検査費用等です。
今回のトライアル実施によって、上記費用の一部は今後抑えられることも分かってきました。また、企業が負担するべき費用範囲については今後も検討が必要と考えています。ワーケーション導入を検討する企業の皆様のご参考になれば幸いです。

今回のワーケーション・トライアル実施結果を受け、CACでは今後もワーケーション活用を進め、「時間と場所にとらわれない働き方」の実現に取り組んでまいります。

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