寄附金申請サイトAcademic Support Navi のSaaS 展開

5.システムの仕様

冒頭で述べたとおり、寄附金の申請をWebサイトで受付けるシステムである。
システムの利用イメージを図1に、システムの機能一覧については表1に、申請者が参照することになるサイトの画面とカスタマイズのイメージを図2に、製薬企業側で使用する申請情報の管理画面イメージを図3に示す。

図1 システムの利用イメージ
図1 システムの利用イメージ
表1 機能一覧
表1 機能一覧
図2 ページのカスタマイズ
図2 ページのカスタマイズ
図3 申請情報管理画面
図3 申請情報管理画面

Academic Support Naviの目的はWeb化することにより寄附金の透明性を高めることであるが、システム化にあたり、システムの主な利用者となる製薬企業の管理者の利便性は考慮しなければならない。
大手企業であれば、奨学寄附金の提供件数は、年間で1000件から2000件近くなる。
応募件数となるとこれをさらに上回ることになり、システムの仕様が業務担当者の負荷を大きく左右する。

●システム上でのメッセージ送受信

申請情報はWebで受付け、その後の申請者と製薬企業間のやりとりはメールや電話で行うという方法も考えられる。ただその場合、申請情報やステータスとメールの紐付け、また、メール自体の管理が煩雑になる可能性がある。
そこで、申請者と製薬企業のやりとりをシステム上で行えるようにした。
システム上で、申請者情報、申請情報や審査のステータス、申請者とのメッセージのやりとりを一元管理できることで、管理者の負担は軽減され運用上のミスなども削減できると考えられる。
また、メッセージにはファイルの添付ができる仕様となっており、選考後の書類のやりとりなど、将来的な運用の改善に幅をもたせられるよう配慮している。

●申請者とのステータス共有

申請者が行った各申請について、製薬企業側ではステータス(受付/受理/不受理など)をセットし、申請者はそのステータスを参照できる仕様とした。
申請者からの状況確認の対応など製薬企業側の負荷を軽減できることとあわせて、申請者側の利便性の向上にも繋がる。
これらの機能を実装するためには申請者へのIDの付与が必要であるが、これは申請者の利便性向上にも繋がる。

●申請者へのID付与

申請者は付与されたIDでログインすることで、申請した情報や、ステータス、製薬企業とのメッセージ履歴を確認することができる。

6.スケジュール

新年度の4月から募集を計画している製薬企業もあり、1ヵ月前の2016年3月には製薬企業が告知のページを公開できるよう、準備を進めている。

7.おわりに

CACは1966年の設立以来、半世紀近くにわたり多くの製薬企業をサポートし、独立系IT企業として成長してきた。その過程で培ってきた経験やノウハウをもとに、製薬業界全体で取り組んでいる透明性の向上に貢献できるよう、本プロジェクトを着実に進めていきたい。

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