株式会社東京放送(TBS)様

限られた人材を有効活用するため 新統合会計システム(SAP R/3)の運用をアウトソーシング

大きな転換期を迎えている放送業界。地上波テレビ、AMラジオ、BSデジタル放送に続き、新しい衛星放送「110度CSデジタル放送」も始まりました。株式会社東京放送(以下TBS)は、常に最新技術に挑戦し、一貫して放送業界をリードしてきました。そのTBSが2001年10月から、SAP R/3による新統合会計システムをカットオーバー。構築を担当したコンサルティング会社から紹介され、システムの運用管理をCACにアウトソーシングしています。開発事業者からの引き継ぎがわずか1ヵ月と短期間であったにもかかわらず、高い技術力と責任感で業務に取り組み、高い評価を頂いています。新システム稼働から1年半、システムも安定し、リモートサービスの利用など、さらなる運用の効率化を検討中です。また、社内のスペースや技術者も限られており、新たなアウトソーシングの活用も考えています。

自社スタッフはマネジメント業務を担当

株式会社東京放送技術局 開発センターSI部長 岩本正伸氏

「TBSの放送ビジネスを支えること、番組力の増強に貢献すること、ユーザの生産性を向上させること。この3つをSI担当(TBSのIT部門)のミッションととらえています」と、株式会社東京放送 技術局 開発センター SI部長 岩本正伸 氏は語ります。この一環として、TBSではSAP R/3による新統合会計システムを構築し、2001年10月から稼働を開始しました。稼働にあたって、運用面の対応が必要となり、紹介されたのがCACでした。

「自社内で運用する選択肢もありますが、人材が限られています。自社の人間はプロジェクトマネジメントなど、管理面の仕事に当たらせたいと考えています。また、オープンの時代になって技術革新が激しく、ある技術に特化した専任者を抱えることのリスクもあります。このような理由からアウトソーシングを選択することにしました」(岩本氏)。新システムになって、伝票入力は社内各部の現場が行うことになり、質問やトラブルも予想されました。そこで稼働当初は「伝票入力ホットライン」を設け、社員からの質問や相談に乗りました。「この伝票入力ホットラインの要員もCACさんに派遣していただきました。お陰様で、予想以上のトラブルも混乱もなく、スムーズに新システムは稼働し、サービスを提供できました」と、同社経理局 経理部 部次長 剣持訓司 氏は語ります。

アウトソーシング先の企業選定では信頼性を重視

「アウトソーシング先の企業の選定では技術力は当然として、信頼性を重視しました。経理部員は事務処理がピークになると残業したり、休日出勤したりもします。CACさんには、それにきめ細かく対応してもらっています。若い方もいますが、技術力があり、責任感もあります。安心して運用をまかせることができる会社だと感じています」(岩本氏)と、CACを評価しています。

「経理システムのアウトソーシングに関しては、1ヵ月、半期、1年などの周期があります。2001年10月からの稼働ですから、2003年の5月で1年半以上が経過し、やっとシステムも運用も安定してきたかなという気がしています」(剣持氏)。

情報の有効活用が、今後のシステムの課題だろうと、岩本氏は認識しています。経理情報は経営に直結するものであり、いかに活用するかが重要です。SAPR/3の分析系・戦略系のモジュールであるBWやSEMの導入も視野に入れてます。また、会計だけではなく人事や給与も検討したいと思っています。

アウトソーシングに関しては、もっと効率的な運用形態も探っています。「システム安定し、利用者もなれてきていますから、リモート運用も含めて、検討を重ねています」と、今後の課題を剣持氏が語ります。

互いにメリットを享受してこそアウトソーシング

「アウトソーシングを提供するのは大変だろうと思います。システムの専門知識が必要だし、経理業務の知識も不可欠です。TBSならではの特殊な業務もあります。とはいえ、ビジネスですから、互いにメリットを見つけることが大切でしょう。私たちはアウトソーシング先から、専門的な知識やパワーを頂きますが、私たちもアウトソーシング先に対してスキルアップのチャンスとビジネスの機会を提供できればと考えています。互いにメリットを享受していきたいと考えています」と、岩本氏は語ります。 BSデジタル放送に続き、地上波がアナログからデジタルへ移行するなど、放送業界も新しい技術が次々に登場しています。それに追随していくために、人材ばかりではなく、社内スペースの有効活用も必要です。

「運用上の実務だけでなく、サーバーやその他リソースも含めた幅広いアウトソーシングもあると思っています。これからもアウトソーシング先であるCACさんとは、いい関係で協業していきたいと考えています」と、最後に岩本氏が期待を語りました。

  • 本記事の内容は2003年7月時点での情報です。