CACを選んだ理由
グローバル統合のために海外との連携が不可欠
2010年4月には次のコミュニケーション環境についての検討が開始されました。当初はクラウドサービスなどの外部サービスを利用することも検討されましたが、機能やコストなどの比較検討を行った結果、オンプレミスで環境を構築することに決定しました。グローバルでのインフラ担当者会議を経て、夏には日米欧CIOの承認を受け、Exchange Server 2010への「グローバルExchange統合」プロジェクトが決定しました。
2010年9月にはコンペが行われ、プロジェクト実施担当としてCACが選ばれました。
「CACの提案は、要件実現のための方法が具体的に記述されていました。役割の定義も明確で、優れた内容の提案でした。CACには第1ステージでもお願いしていましたし、以前の日本国内Exchangeのバージョンアップやその後の運用にも関わってもらっています。アステラス製薬の事業やITインフラ面を深く理解しているということも高いポイントでした」(塩谷氏)
今回のコンペでアステラス製薬が最も重視したのは、グローバルでの連携についてでした。統合プロジェクトは、設計を日本で、構築を各Regionが現地作業で行います。このグローバル展開を、現地と上手く連携して行うことができるかが選定の最も重要なポイントとなりました。CACは、第1ステージでの実績と中国や米国にも海外子会社を持ち、海外での構築や連携にも不安はありませんでした。
「統合プロジェクトでは、設計を統一しているとはいえ、ある程度運用上の自由度を持たせた形での構築となります。各Regionと上手く連携して進めていくことができるかが最も重要でした」(塩谷氏)
2010年10月には統合プロジェクトがスタート。日本での要件定義、設計、方針策定から、ラボでのテスト環境構築、実環境に近いシステムでの検証を2011年3月まで行いました。Exchange Server 2010には、冗長性を高める「DAG(Database Availability Group)」機能が搭載されましたが、この機能の検証も行われました。
2011年4月から実際の構築が始まり、5月、6月にはアジアRegionの統合・移行を完了。日本では7月にコーポレートIT部部員によるパイロット移行作業、8月22日に全てのユーザー移行作業が行われました。
統合の効果
統合を無事に完了
メール基盤のスムーズな移行をサポート
「移行作業は非常にスムーズにいきました。大成功と言っていいでしょう」と塩谷氏は目を細めます。メール環境の移行では利用するユーザーの作業が複雑だと混乱を生じるケースも多いですが、今回の移行ではメールクライアントはOutlookのまま、事前に検証された移行ツールを使うことで新サーバーへも簡単に接続することができ、環境の移行は1日で約10,000人を問題なく完了しました。
「厳しいスケジュールでしたが、サーバー側の移行についても、テストから実作業までしっかりやっていただきました」(塩谷氏)とCACの作業を評価しています。
その後、数ヶ月経過しましたが、安定稼働を続けています。
今回の移行は日本とアジアなので、北米、欧州での統合が完了しないと本格的なグローバル化の効果は見えにくいですが、少なくとも日本とアジアでRegionをまたいだ部分についてはその目的を達成できています。また、DAGを用いたDR(Disaster Recovery)構成を全てのRegionで構築し、全てのRegionで同一アーキテクチャーによるDR機能を有することができました。
メール機能の移行は完了し、問題もありませんが、コミュニケーション基盤としては課題も残っています。
「グローバル設計では、Exchange Server 2010のパブリックフォルダーはオプション機能とし、今回の日本移行ではパブリックフォルダーの利用を止めることにしましたので、その手当に苦労しました」と齊藤氏は振り返ります。ファイルサーバー、SharePointに切り替えたりしていますが、しばらくはパブリックフォルダー閲覧のために旧サーバーも残しておく予定です。 |